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【タイ旅行】奇々怪々祭ソンクラン1
タイの首都バンコクでチェンマイ行きの夜行列車のチケットを購入しようとしていた。私は電車が好きだ。もちろん鉄道マニアではないし、なんの知識もないのだが。兎に角電車が好きなんだ。窓の景色が変わっていく様をみているのは飽きないし、なんといっても電車に乗っている時が一番「あぁ私旅してるのね」と思える。
というわけで、私は首都バンコクの鉄道駅窓口で哀れなことこの上ないブロークンイングリッシュでチェンマイ行きの夜行列車のチケットを購入しようとしていた。しかしなんということだろう。今日も明日も列車のチケットは満席だと。席がとれるのは明後日以降だと。
私は一瞬戸惑ったが、別に焦るような旅行ではないので「ほんなら明後日のチケットを購入します。」と伝える。窓口のおばはんは「明日からはタイで最も盛り上がるソンクランフェスティバルダヨ!チェンマイが一番盛んなんダヨ! ユーノー? チェンマイでのソンクランはぜったい体験しておいたほうがいい!バスで行ったらいいジャン!」とやや怒りながら教えてくれた。しかし私はバスはあまり好きじゃないし、とにかく電車に乗りたかった。電車でないと、電車でないと、電車でないと意味がなんだ!つまらないんだ!ぜったいぜったい電車に乗るんだー!!という断固たる決意をし「チェンマイへは明後日の夜行列車で行きます。アイ ヘイト バス! アイ ラブ トレイン!」というような事を言った。そんならみるみるうちにおばはんの顔が仏像のように怖くなり、「明後日の列車に乗ってもあんたがチェンマイに着くのは明々後日の朝。ソンクラン終わっテル!せっかくのソンクラン。タイ人でもなかなかできない体験を無駄にするなんて、ほんとあんたは阿呆だ。ロクデナシだ。生きる価値もない。もう知らん」とそんなに怒る事ないじゃ〜ん。と泣きそうになるくらい責め立てられた。そしてすこし間を置いてから、今度は聖母マリアのように神々しく、そして優しく「バンコクへ帰る時に電車に乗ればいいジャナイ」とおばはんは言った。
私はおばはんの脅迫に似たよな荒々しいタイ英語と最後の優しい言葉に押し倒され、あっさりとバスのチケットを購入し、バスでチェンマイに向かうことに決めた。

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次の日の朝、私は無事にチェンマイの町に到着した。
まず私がしなくてはいけないことは宿探しである。5年前に泊まったゲストハウスの前まで来てみたが見事に潰れていた。ポカーン。しかしまぁ、ゲストハウスなんてうじゃうじゃあるし、と前向きにそこいらのゲストハウスを訪ねてみると空室なし。また、違うゲストハウスを訪ねると空室なし。そしてその次も。
ゲストハウスのオーナーらしき人はみんな言う。「ごめん。部屋空いてないの〜。ソンクランだから〜」。幾つかゲストハウスを回ってもすべてNO! すれ違うヒッピーみたいな白人のおじさまにはあざけ笑いながら「グット ラック!」と言われる始末。昨日の駅窓口のおばはんを心の底から恨む。そして想像する。路上で寝ている私。狂犬にかみ殺される私。怖い人達に引きずり回され、殴られ、髪をむしられ、ナイフで首を切られた後、川に流される私を。
結局十何軒目かでやっと空室のあるゲストハウスにたどり着く。オー!ジーザス!!部屋を見せてもらうと監獄のようなまったく光のはいらない部屋と、映画SAWに出てくるような風呂トイレ付きの部屋。しかしもうこれ以上宿を探す気力がまったくなかった。半ヤケクソ状態で密室殺人監獄部屋に決めた。
宿が決まったという安心感。しかし部屋には大量の蚊。そして蚊。んでもって蚊。これはさすがにキツいと思い、大量の蚊を殺すべく、宿のオーナーに借りた殺虫剤を部屋に巻き散らかし、大量の蚊を殺した。窓がないもんだから部屋はあっという間に白くなり、目が酷く痛くなり、息が苦しくなり、そして気分が悪くなり、一刻も早く部屋から抜け出さなければと思ったのだが、バスではちょっとした事件がありぜんぜん眠れなかった上に長い時間重い荷物を持っての宿探しに疲れていた私は倒れ込むように眠った。

本当に今更すぎてこいつ阿呆なんでは?と思われるであろう。しかし書きたかったタイ旅行の事。
写真fotologueにアップしています。
by namazucco | 2011-07-16 23:09 | journey
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絵を描く鯰の日記
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かなりのマイペースで絵を描いています。

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